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金利が上がったら返済はどうなる?——ストレス試算の型(2026年版)

金利が上がるかどうかは誰にも正確には分かりません。だからこそ「上がった場合」を先に試算しておく——今の金利+0.5%/+1%で毎月返済と手残りがどう動くかを、仮の数値で落ち着いて見ていきます。

文責: Meyasu 編集部8公開 2026/7/24

結論:金利は「予測」ではなく「試算」で備える

変動金利で借りていると、「この先、金利が上がったら返済はどうなるのか」は気になるところです。ただ、金利が今後上がるか下がるかを正確に当てることは誰にもできません。本記事でも金利の先行きは予測しません。

予測の代わりに実務で使われるのが、「上がった場合」をあらかじめ数字にしておく考え方です。具体的には「今の金利+0.5%/+1%」で毎月返済と手残りがどう変わるかを見ておく——このストレス試算の型を中立に整理します(本記事は投資助言ではなく、参考情報です)。

なぜ変動金利は動くのか——基準となる短期プライムレート

変動金利は、多くの場合「短期プライムレート(短プラ)」などの基準金利に連動して見直されます。短プラは各銀行が優良企業向けの短期貸出に適用する最優遇金利で、日銀の政策金利の動きを踏まえて各行が決めます。日銀が公表する短期プライムレート(主要行の最頻値)は2026年2月9日以降 年2.125%で、近年は段階的に引き上げられてきた経緯があります(参考値。最新の水準は日銀の公表でご確認ください)。

金利全体がどちらに動いているか(地合い)は、日銀「貸出約定平均金利」(時系列統計コード IR04)でも確認できます。国内銀行等が実際に貸し出した約定金利を残高で加重平均した統計で、直近の掲載は2026年5月分です(個々の投資用ローンの数字ではありません。月次更新のため、最新月・区分ごとの値は公式ページでご確認ください)。金利水準そのものの読み方は「投資用ローンの金利相場はいくら?(2026年版)」の記事で扱っています。

ストレス試算の型:「今の金利+0.5%/+1%」で見る

ストレス試算とは、あえて不利な前提を置いて「それでも返済が回るか」を確認しておく作業です。金利上昇に対しては、次の手順で「今の金利」と「上がったときの金利」を並べます。

  • 現在の条件(残債・金利・残期間)で毎月返済額を出す
  • 金利を+0.5%した条件で毎月返済額を出し、増加額を見る
  • 金利を+1%した条件でも同様に出す
  • それぞれで、家賃収入から返済・運営費を引いた後の手残りがいくら残るかを確認する
  • 手残りがマイナスに近づく・割り込む水準がどこかを把握しておく

数値例で流れを追う(すべて仮の数値)

以下は計算の型を示すための仮の数値です。実際の物件・市場を表すものではありません(すべて仮の数値・試算)。前提(仮): 借入3,000万円/現在金利1.5%(変動・元利均等)/残期間30年。

この前提で毎月返済額を計算し、金利だけを+0.5%・+1%に置き換えると、毎月返済額はおおむね次のように動きます(端数を丸めた概算で、返済方式・残期間・計算方法により変わります)。

金利上昇による毎月返済額の変化(仮の数値・元利均等・残期間30年で試算した概算)
適用金利(仮)毎月返済額(概算)現在との差(毎月)年換算の差(概算)
現在 1.5%約10.4万円
+0.5%(2.0%)約11.1万円約+0.7万円約+9万円
+1.0%(2.5%)約11.9万円約+1.5万円約+18万円

「手残り」で見ると影響が具体的になる

毎月返済額の増加は、そのまま手残り(家賃収入から返済・運営費を引いた後に残る額)の減少につながります。仮に現在の手残りが毎月2万円だとすると、上の例では+1%の上昇で毎月の返済が約1.5万円増え、手残りが1万円を下回る計算になります(あくまで仮の数値による例で、特定の水準を示すものではありません)。

ストレス試算の目的は、こうして「どのくらいの上昇までなら手残りが残るか」「どこから持ち出し(自己資金の投入)になりそうか」を、上昇が起きる前に把握しておくことにあります。

返済額はすぐ増える?——5年ルール・125%ルールという仕組み

変動金利でも、金利が上がった瞬間に毎月返済額が上がるとは限りません。住宅ローンで広く知られる仕組みに「5年ルール」と「125%ルール」があります。5年ルールは、金利が変わっても毎月返済額の見直しを5年ごとに1回にとどめる仕組み、125%ルールは、見直し時に返済額が増える場合でも直前の返済額の125%を上限とする仕組みです。

ただし、これらのルールには前提と限界があります。適用されるのは変動金利かつ元利均等返済の場合で、元金均等返済には適用されないとされます。また、すべての金融機関・商品が採用しているわけではありません。さらに、返済額の上限が効いても金利(利息)そのものが消えるわけではなく、抑えられた分が後回しになって「未払利息」として残ることがあります。

重要なのは、これらは主に住宅ローンで語られる仕組みであり、投資用ローンでは商品により有無・内容が異なる点です。「うちのローンにも5年ルールがあるから安心」と一般論で決めつけず、自分の契約でそもそもルールがあるのか、上昇分がどう反映されるのかを、契約書や金融機関で確認しておくのが実務的です(借入条件の詳細は金融機関にご確認ください)。

上昇に備える考え方(一律の正解はない)

ストレス試算で余裕度が見えたら、備え方を考える段階に移れます。よく挙げられる選択肢は次のとおりですが、どれが向くかは金利の先行き・保有期間・手元資金によって変わり、一律の正解はありません(特定の方法を推奨するものではありません)。

  • 手元資金に余裕を持つ:上昇時の返済増や空室・修繕に備え、現金のバッファを確保しておく考え方
  • 繰上返済で残債を減らす:残債が小さいほど同じ金利上昇でも増加額が小さくなる。ただし手元資金は減るため空室・修繕への備えとの兼ね合いになる(繰上返済と借換の比較は関連記事で整理)
  • 固定金利への借換を検討する:返済額を確定させる選択肢。ただし借入時の金利は高めになりやすく、諸費用もかかるため金利差だけで損得は決まらない(変動と固定の考え方・借換の損得は関連記事で整理)

前提の置き方とよくある誤解

試算は前提でぶれます。「+0.5%/+1%」という幅は、どこまで上がるかを予測して当てるためのものではなく、余裕度を測るための保守的な置き方の一例です。上がらないシナリオも含め、複数の前提で並べて見ておくと、判断の材料がそろいます。

誤解しやすい点も整理しておきます。「5年ルールがあるから返済は増えない」わけではありません(見直し時に増える・未払利息が残ることがある)。また「毎月返済が抑えられている=負担が消えた」わけでもありません(利息そのものは残る)。数字は金利環境で動くため、試算はその時点のものと捉え、判断の直前に最新条件で引き直すのが実務的です。

まとめ

金利上昇への備えは、先行きを予測することではなく、「上がった場合」を先に試算しておくことから始まります。今の金利+0.5%/+1%で毎月返済と手残りがどう動くかを見て、どこから苦しくなるかを把握しておく——これがストレス試算の型です。返済額の見直しには5年ルール・125%ルールのような仕組みもありますが、適用の有無や内容は商品によって異なるため、自分の契約で確認するのが確実です。

自分の物件の残債・金利・毎月の手残りはアプリの「お金」ビューで確認でき、+0.5%/+1%の試算や、上昇に備える整理を具体的に見たいときはAI相談で行うこともできます(すべて参考値・試算としての表示です)。

  • 次に読む: 「投資用ローンの金利相場はいくら?」(金利の水準・地合いの読み方)
  • 次に読む: 「投資用ローン、変動と固定どっちを選ぶ?」(金利タイプの考え方)
  • 次に読む: 「借換で手残りはいくら増える?」(固定化・借換の損得の試算)

よくある質問

変動金利が上がったら、毎月の返済はすぐ増えますか?
商品によって異なります。住宅ローンでは「5年ルール」(返済額の見直しを5年ごとにする)や「125%ルール」(見直し時も直前の125%が上限)といった仕組みが知られますが、これらは変動・元利均等返済が前提で、元金均等返済には適用されず、すべての金融機関・商品が採用しているわけでもありません。投資用ローンでは有無・内容が異なるため、ご自身の契約や金融機関でご確認ください。
金利は今後上がりますか?
将来の金利は誰にも正確には予測できず、本記事でも予測はしません。実務では「上がるか」を当てるのではなく、「今の金利+0.5%/+1%」など上昇シナリオで毎月返済と手残りを試算し、返済が回るかを確認しておく考え方が一般的です。数値はすべて参考値・試算です。
どのくらいの上昇まで見ておけばよいですか?
一律の正解はありません。よく使われる目安として「今の金利+0.5%」「+1%」で試算する例が挙げられますが、これは当てるための数字ではなく余裕度を測るための保守的な置き方の一例です。複数の前提で並べ、どの水準から手残りが薄くなるかを把握しておく考え方が実務的とされます。
未払利息とは何ですか?
5年ルールや125%ルールで毎月返済額の上昇が抑えられても、金利(利息)そのものが消えるわけではありません。抑えられた分の利息が後回しになって残ることがあり、これを未払利息と呼びます。返済額が一定でも負担がなくなったわけではない点に注意が必要です。詳しい取り扱いは金融機関にご確認ください。
この記事は特定の売買・契約を勧めるものではありません。私たちの中立の約束をご覧ください。

出典: 日本銀行(長・短期プライムレート)日本銀行(貸出約定平均金利)三菱UFJ銀行

本記事は一般的な情報の提供であり、特定の物件・契約・投資判断の推奨や、税務・法務の助言ではありません。数値はすべて参考値・試算です。税務・契約・法務の判断は税理士・弁護士等の専門家に、借入の可否は金融機関にご確認ください。

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